50代主婦の日常

子供のいない50代主婦です。平凡な日々、出来事や思った事を綴ります。

昭和の団欒

小学2年生の時、父が39歳で病死した。
2世帯住宅を新築し楽しい生活が始まって半年目の事で
てんやわんや慌ただしい日々が過ぎて
気づけば仕切りの壁がなくなり祖母たちは別のところへ引っ越しして
だだっ広い家に一人でお留守番する事が多くなっていた。
幸い一人で過ごすことが嫌いではなかったので
特に寂しいという気持ちもなく家の手伝いをすませ夕飯を食べ
宿題をし漫画を読みながら母の帰りを待つ優等生の日々だった。
兄がいるが、朝は部活に夜は塾へと忙しくあまり顔をあわせず
脱ぎ散らかした靴下や衣類を拾っては洗濯機にかけていた
ような気がする。
そんな感じだったのでいわゆる「団欒」というのを
テレビの中でしか見たことがない。


学校帰り友人宅で遊んでいて遅くなり、晩御飯の時間になったことがある。
茶の間のこたつに沢山のお皿と料理が乗っていて
わやわやと家族で準備しているところを見て
「今日はパーティー?すごい御馳走だね」と言ってしまった。
友達は不思議な顔をしていたが、お母さんが「作りすぎただけよ」
と優しく笑ってくれたのを覚えている。


夫とも生活のリズムが違う為一緒に食事することが少ないので
「団欒をしたい」と提案してみた。
夫も小学1年生の時に父親を亡くし義母も働きづくめだったようで
「団欒」とは何ぞや、とお互いに模索する事になった。